二軒振れ反り隅木
保坂祐介
1. はじめに
日本建築は、軒の姿にその美しさがある
雨の多い我が国では深い軒が要求され、屋根の勾配も強い傾向にある。ところが深い軒で急勾配だと室内から外を眺めたとき、急勾配の軒が目障りになり、また太陽の光が入りにくく室内は暗くなってしまう。
そこで考えられたのが日本独特の屋根の上に屋根を設けることだった。結果、屋根勾配が増し、屋根ばかりが目立つ建物となったが、それが日本建築の良さであり特徴であると思う。
またその屋根を軽快に見せる方法として軒先の隅などに曲線をつけて反りをもたせている。
このような軒は、世界でも類を見ないだけに日本の屋根の美しさの重要な要素となっている。
2. 目的
カレッジで学んだことを生かし、隅木を通して技術・知識の向上を目指す。
3. なぜ作ろうと思ったのか
・日本建築の屋根は、自分の中で一番目を惹く存在で、興味もあり、かっこいいし、その屋根における最も重要ともいえる隅木の理解を深める。
・奈良宿泊研修で滝川寺社建築にて二軒振れ隅木をみたこと。
・カレッジという恵まれた環境の中なので自分の興味あることを学び、これからにつなげる。
4. 苦労した難しいところ
・隅木が振れているため、勾殳玄法、裏目が使えないため原寸を起こし、図面から角度を求めなければならない。
・左右の勾配が異なるので、木負・茅負にくせが生じる。それをさらに反らさなければならない。
5. まとめ
予想以上に難しく、作るのより図面のほうが大変だった。これからも隅木をはじめ、いろいろなものに興味を持ち、挑戦し、技術・知識を身につけていきたい。